「殺し屋、やってます。」を読んだ

各話で話が完結するタイプでとても読みやすい、映像化されるとしたら NHK のドラマ枠で短期集中放送される感じ。タイトル通り殺し屋稼業を主人公としたお話なんだけれど、それでいて探偵役のミステリーものでもあるというのはちょっと面白かった。日本の警察は優秀なのでわりとあっさり足が着くと思うけれど、そこは野暮ということで。お話の作りはストーリーテラーが変化する一部例外を交えつつも一定のフレームワークに則っているので、何話か読めばある程度の落とし所が予想できてくる。登場人物の数とストーリーの構成上それは仕方ないことだし、寄せに入ってくる段階では随分と分かりやすい描写もあるので著者の石持浅海さんもそこら辺は織り込み済みなのではないか。大きな風呂敷が広げられないけれど、どんどん読み進められるボリュームさに繋がっていて年初の1冊目にとてもちょうどよかった。巻末解説で「さあ書店へ走って!」と次の巻を買いに行けと諭されたので、続きはそのうち。そのときはビールとビーフジャーキーあるいはイベリコ豚のスモークタンを用意しておこうと思う。